違う視界




お前が易々その身を投げ出せば
たちまち歯車は狂いだすのさ
街は歩みを止めて
澱んで熱を生む
やけに夕陽が眩しいんだ
寿命は尽きかけてる


自殺したいお前の命には
果たしてどれだけの価値があるだろう
明日を捨てたお前の身体で 果たしてどれだけの事が出来るだろう

その堅く閉じた眼を開いてよ
退屈な景色の壊し方を見せるから

この宛のない命の使い道を迷い迷い迷いあぐねて
ダイヤグラムを乱したら気付いた
意外にこの世界は
世界は


人が列をなし流れに逆らわず
危ういバランスでやっと立ってる
吹けば飛ぶような危うさも脆さも今はもう


どうして僕が生まれたの
こんな世界で何を残せるの
どうして僕が死ななきゃいけないの
くだらねえ

脆い世界と脆い命の残りはあとわずか
「そんなもののために動かされてたんじゃ馬鹿みたいじゃない」
君は僕にそう呟いた


この宛のない命の使い道を迷い迷い迷いあぐねて
ダイヤグラムを乱したら気付いた
意外にこの世界は
君やあなたや彼や彼女やあの人の見ているその景色は
僕やお前が見てるのとは違うんだね
違う視界
違う世界