逃避行




見えたような気がしてもそれは幻で
いつまでも出やしない答えを探し続ける


聞きたくもないことで溢れている
濃紺の不安感に足を取られて
宙に浮くナイフの刃、いびつな光
頼りない僕の決意を惑わせてゆく

夜のように満ちてゆく呼吸のリズム
月のように満ちていつしか、止まらない

手を引いて導いてよ
あなたの呼ぶ声でも届かない場所にいるから
君と僕はきっと同じ名前を持つから
惹かれあって、しまう様


考えても考えても落ちてくばかり
いっそこの思考を止めて、と願う奴ら
頭の中歩き疲れ導もなくて
投げかけられた言葉たち、僕の手足を絡めとる
自由を奪い取るだけ
やめてよ!


考えることが多すぎるから
逃げ出した君は一人きり
濡れた頭にヘッドホンを乗せて、耳を塞いだなら
おやすみ、歩きだすまで


手を引いて導いてよ
あなたの呼ぶ声でも届かない場所にいるから
君と僕はきっと同じ名前じゃいけないんだ
まだ君と居たいけど

そして僕は名前を捨てて